【産婦人科医監修】ピルの副作用や効果について正しい知識を知ろう

pill

あなたが毎月生理痛に悩まされているなら、ぜひピルを試してほしいです。生理痛を甘く見ていると将来とても困ることになります。

一般的にはピルと言われていますが、正式名称はOC (Oral Contraceptive) 経口避妊薬と言います。

*理解しやすいように、この記事内では「ピル」で統一して書いています。

もともと避妊のために開発された、卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)の合剤です。

特に10代20代にとって、ビルはたくさんのメリットを享受できるので、上手に利用して快適な日々を過ごしてほしいです

ピルの副作用

吐き気、頭痛、不正出血、乳房の張り、倦怠感などを訴える人もいますが、ほとんど3~4日以内、長くても2か月以内で治まります。

また、内服薬であるピルは稀に、肝機能障害が見られる事があるので、定期的に血液検査を受けることが大切です。

もともと体内にはエストロゲンとプロゲステロンが分泌されていて、この2つが増えたり減ったりすることで生理サイクルを動かしています。

主にエストロゲンは女性らしさを作るホルモンで、プロゲステロンは妊娠するために働くホルモンです。

この2つを同時に錠剤で摂れるカタチにしたものがピルです。世界的に見るとピルはかなり普及しています。

現在、世界で1億人以上の女性がピルを服用していると言われています。

特に欧米ではよく利用されていて、生殖可能年齢の女性の20~60%が服用しています。

ピルがこれだけ世界で普及しているのは、基本的に安全・確実な避妊薬であり、避妊以外にも非常にたくさんの効果が期待できる「マルチタレント能力」が関係しています。

避妊だけに留まらず、生理痛を軽くしたり、生理の量を減らしたり、生理が来る日をコントロールできます。

ただし、ヘビースモーカーや肥満、高血圧症、高脂血症などで、服用に適さない人もいますので注意してください。

ごく稀ですが、血栓症という重大な副作用が起こることがあります。

血栓症とは血管の中で血液が固まり、下肢(股関節〜足先まで)や肺、脳、などで血管を詰まらせ、重篤な症状を引き起こします。

とくに、喫煙、肥満、高齢などが危険因子になります。

長時間の飛行機や夜行バスによる移動などの際には、「エコノミークラス症候群」予防に努めましょう。

もし、胸やお腹、頭や足などに激しい痛みを感じたら、医療機関を受診して、ピルを飲んでいることを必ず伝えて下さい。

早く治療すれば治るので、自分で血栓症を疑うことが大切です。

少し怖がらせてしまったかもしれませんが、血栓症の副作用を起こす確率は1万人あたり3~9人と報告されていて、死亡率は10万人あたり1人以下です。

(ピルを飲んでない人の血栓症リスクも1万人あたり1~5人あって、0ではありません)

ピルを飲んでも飲んでなくても、普段から血液がドロドロにならないような食事を心がけ、水分を十分に取ることが必要です。

また現在、ピルには複数の種類があって、生理を2〜3ヶ月に1度(通常は生理と同じ1ヶ月に1度)起こすようなピルも出ています。

副作用も少なくなっているので、ますますオススメです。どのようなピルも医師の処方箋が必要です。(市販薬ではありません)

ピルは6つの効果がある

  1. 生理痛を軽くする(生理を快適に過ごせる)
  2. 生理の量を減らす(子宮内膜症の予防)
  3. 生理が来る日をコントロールする(旅行や試験、試合などイベントと生理が重なるのを防げる)
  4. PMS(月経前症候群)を軽減する(生理前のゆらぎを抑えます。)
  5. 肌荒れが改善する(ニキビが改善します)
  6. 避妊できる

上記の5つは、実は副効用なのです。ピルはもともと、避妊が目的で開発されました。

この6つの効果のおかげで、実際に予防できるトラブルを見ていきましょう!

10代20代の気になるトラブルを予防できます。

  • 生理痛がひどくて、布団から出られない。(月経困難症)
  • 楽しみにしていたイベントも痛みで楽しめない(月経困難症)
  • 生理の量が多くて、夜用ナプキンが常に手放せない(月経過多)
    生理がズボンについてないか?気にしなくていい(過去の失敗は忘れてしまって大丈夫です)
  • 楽しみにしてた温泉旅行の当日に生理になってしまって、1人だけ個室風呂(生理デメリット)
  • 大切な試験や面接の日に生理が被らないか心配しないといけない(生理デメリット)
  • 生理前になるとイライラして彼氏とケンカしてしまう。自分の感情を抑えられない時がある(PMS)
  • 洗顔はしっかりしてるのに、ニキビが全然治らない(ニキビ)
  • 避妊(コンドーム)はしてるけど、たまに失敗して焦る(避妊)彼氏にせがまれて、ナマでして膣外発射するときもある・・

これらの中に、あなたが毎月、日々困ってることはありましたか?

ピルを飲むことで、毎月や日々困ってることが解消されますし、他にもたくさんの効果が期待できるのです。10代20代にとって、たくさんのメリットがあることがお分かりいただけると思います。

ピルが効果を発揮する理由

患者

なぜ、ピルを飲むと子宮内膜が薄くなるのでしょうか?

薄くなるというより、厚くならないと言った方が正しいかも知れません。

本来はプロゲステロンが急激に増えてまた急激に下がるというような、プロゲステロン量に波があります。

これがピルによって少ない量で安定しますので、子宮内膜が厚くなることが無くなるのです。

患者

なぜ、ピルを飲むと99.9%もの高確率で避妊できるのでしょうか?

ピルはエストロゲンとプロゲステロンが入っています。

体内にエストロゲンとプロゲステロンがあると脳は「ホルモンが分泌されている」と勘違いして排卵を促す指令を出さなくなります。その結果、排卵が起こりません。

排卵とは、卵巣から卵子を放出すること

卵巣に入っている卵胞(卵子の入った袋のようなもの)が成長して成熟卵胞になり、卵巣から毎月1個飛び出すカタチで卵子が生まれます。

ピルによって卵巣内の卵胞が成長しないために排卵が起こりません。

しかも、脳がエストロゲンとプロゲステロンを分泌させる指令を出さないので、子宮内膜が厚くなりません。

子宮内が妊娠しやすい環境にならないので、万が一排卵が起こって、受精してしまっても着床しない(受精卵は育たない)ので妊娠は成立しません。

患者

なぜ、ピルを飲むと生理をコントロールできるのでしょうか?

生理サイクルは、生理が始まって終わり、次の生理が始まるまでの期間のことで、だいたい25〜38日ぐらいの間で起こります。

生理で血が出るのは、厚くなった(古くなった)子宮内膜を体外に出すためです。この剥がれ落ちるタイミングをホルモン(エストロゲンとプロゲステロン)の高低差で決めています。

このホルモンの高低差によって起こる出血を消退出血(しょうたいしゅっけつ)と呼びます。

エストロゲンとプロゲステロンが高い状態から、低い状態に変化すると、子宮内膜が剥がれる仕組みになっています。

ピルをしばらく飲み続けた後に中止すると、ホルモン高低差が生まれて、2~5日(ほとんど3~4日)後に生理が起こります。

この仕組みを利用することで、修学旅行や温泉旅行、入試などの大事な行事と生理が重ならないように調節できるのです。

ピルを継続的に飲んでいる場合は、長く飲んだり、早く休薬することで生理日をズラすことができます。

ただし、急な調節にはピルでは間に合わず、中用量ピル(普通のピルより、ホルモンが多く入っている)が必要になります。

低用量ピル(通常ピルは低用量)より吐き気、嘔吐、などの副作用が出やすいので、やはり1か月以上前から医師と相談の上、計画的にコントロールすることをオススメします。

基本的にピルは2タイプ

28錠タイプ

  • 21錠のピルに7錠のプラセボ(ホルモンが入っていない)がついている
  • 24錠のピルに4錠のプラセボ(ホルモンが入っていない)がついている

いずれも28日毎に生理が起こります。

21錠タイプ

  • 21錠のピルと7日間のお休み

最後のピルを飲んでから2〜4日後に生理が来ます

28錠と21錠、どちらのタイプも28日サイクルで飲み進めていきます。

その他

2~3か月に1度、4日間の休薬期間を置くことで生理を起こすピルもあります。この場合のメリットは、自分の判断で生理を起こすことができますし、生理回数も少なくて済みます。

どちらを選んでも、脳の代わりにピルで生理をコントロールすることになるので、飲み始める日から計算して生理が来る日が予測できますし、その通りに生理がきます。

患者

なぜ子宮内膜症の予防に効果があるのでしょうか?

その理由は、生涯生理回数の変化にあります。

昔:生涯生理回数50回

今と比べて初潮が遅く、結婚も早かったです。結婚が早いですし、避妊の方法を知らない人が多かったので必然的に出産する子供の数が多かったです。

今:生涯生理回数 400〜500回

単純計算でも約10倍の負荷がかかっている人が多いです。まさに子宮が酷使されている状態ですね。

ピルを飲むと排卵が起こらないようになりますし、子宮内膜も厚くならないので、生理が非常に軽くなります。その結果、子宮の負担が減ります。

28日毎に生理を起こす場合は、生涯生理回数は400〜500回になるので、生理回数としては減りません。ただし、ピルのお陰で卵巣はお休みできます。

この子宮や卵巣をしっかり休めることが子宮内膜症の予防につながります。

まとめ

ピルの副作用がどうしても心配な人には、ミレーナ(子宮内黄体ホルモン放出システム)という選択肢もあります。

ミレーナはピルと同じく月経困難症を軽減するのに、血栓症や吐き気のような副作用がありません。

月経困難症の治療で使う場合には保険も適応されます。

一度挿入すると5年間有効なので、継続するのが楽でオススメです。

とくに出産を経験した女性で、避妊を確実にしたい人にオススメです。

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【監修】西田医師

昭和59年徳島大学医学部卒業
東京医科歯科大学産婦人科、都立病院等に勤務
平成7年9月、横浜市都筑区にて西田ファミリークリニック開業
平成30年3月閉院
日本産婦人科学会専門医、日本更年期学会会員
専門:内分泌(思春期・成人の卵巣機能不全、不妊症、更年期)

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