女医が教える女性のライフスタイルの変化は生理回数が8倍増えた

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昔の日本人女性は生涯で平均4~5人を出産していました。現代では1~2人がほとんどですし、子供を産まない女性も増えています。

女性が高学歴になって社会進出もどんどん増えています。

この変化が女性のライフスタイルと健康に大きな影響を与えていることをあなたは知っていますか?

女性ライフスタイルの変化と生理

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生理回数は8倍増!!

昔に比べ、初経が早くなった・初産が遅くなった・出産回数が減った、などの理由により、生涯の生理回数が増えたことが、生理トラブルの増加に大きく影響しています。

例えば、生涯の生理回数(昔:約50回→今:約400回)

生理回数がこんなに増えたことで、女性の卵巣は働き過ぎの状態になりました。そのため、子宮内膜症や生理痛、月経前症候群などで悩む女性が増えることになったのです。

現代では、つらい症状を我慢するのではなく、うまくコントロールしながら日常生活を送る、QOL(生活の質)の向上が求められています。

それぞれのライフステージに合わせ、それぞれのライフスタイルに合った、ヘルスケアを実践することがポイントになります。

女性のライフステージによって病気やトラブルの中身が変わります。

それは女性ホルモンの変化によって変わります。

◆小児期・学童期

女性ホルモンがまだ分泌されないので男女ともに性器以外は変化がありません。
この時期は全く女性ホルモンの影響を受けません。

◆思春期

10歳を過ぎると、体格が145cm以上40kg以上になるので女性ホルモンが分泌され出します。カラダが少女から女性へと変化します。おっぱいも大きくなりますし、カラダが丸みを帯びてムチムチしてきます。

初潮も始まって、生理が始まります。しかし、登り始めた大人への階段に体も心も慣れていませんので戸惑いも多い時期です。

大人と子供の狭間で肉体的にも精神的にも非常に不安定になりやすいです。

生理が始まったら婦人科医をホームドクターに持つことがおすすめです。

<思春期におけるトラブル・病気>

  1. 月経不順
  2. おりものの異常
  3. 腟炎
  4. 月経困難症
  5. 望まない妊娠
  6. ニキビ、多毛
  7. 性行為感染症(STD)

◆性成熟期

18歳を過ぎると女性ホルモンの分泌量も安定して来ます。ひと昔前では、25歳までに結婚しないと売れ残りとされていた時代もあります。現代では25歳までに結婚するのは僅か6%です。

女性ホルモンに守れて病気をしにくい時期ですが、婦人科系の病気だけは気をつける必要があります。肉体的には妊娠適齢期と言えます。

ただし、生活環境に変化によって女性ホルモンが乱れてしまう人も多いです。

<性成熟期におけるトラブル・病気>

  1. 月経困難症
  2. 月経前症候群(PMS)
  3. 子宮内膜症
  4. 性行為感染症(STD)
  5. 良性卵巣腫瘍
  6. 望まない妊娠

◆更年期

卵巣が役目を終える時期が近づいて来ます。12歳ごろから始まった女性ホルモンとの付き合いも閉経を迎えることでお別れとなります。思春期と同じように生理不順が多くなって来ます。

閉経を迎えて、大きな変化を感じる時期でもあります。これまでのペースでは生活するのが難しくなって来ますので、ペースダウンをするつもりでいるぐらいが丁度いいです。

◆老年期

女性ホルモンの分泌が同年代の男性よりも少なくなるほど減ります。守りが減ってしますので病気のリスクが高まります。

女性ホルモン特有の揺らぎに左右されなくなるので、安定した時期とも言えます。

<更年期・老年期におけるトラブル・病気>

  1. 更年期障害(ほてり・のぼせ・発汗・不眠・疲労倦怠感・うつ)
  2. 月経不順
  3. 子宮体がん
  4. 尿失禁
  5. 性交痛
  6. 骨粗鬆症
  7. 老人性腟炎
  8. 外陰掻痒症

自分のカラダのこと理解していますか?

女性の生殖器は妊娠・出産に関わるとても大切な器官です。

女性の生殖器(横から見たところ)

・卵巣

そら豆ぐらい(直径が4cmに満たないぐらい)の大きさで、子宮の左右にそれぞれあります。卵巣の中には卵胞があって、原始卵胞がぎっしり詰まっています。

原始卵胞の数は決まっていて、胎児の頃に原始卵胞は左右の卵巣のそれぞれ20~40万個ほどあります。

思春期になると女性ホルモンが働き出して、20~40万個ほどある原始卵胞の内、月に10~20個が徐々に成長して行きます。

この月に徐々に成長してる10~20個の中から、生理周期ごとに1個ずつ女性ホルモンの影響を受けて大きくなって、原始卵胞→成熟卵胞→排卵します。

生理周期ごとに左右の卵巣から交互に排卵します。

この卵巣が女性ホルモン(エストロゲン・プロゲステロン)を分泌して生理周期をコントロールしています。

女性が妊娠可能の時期はおよそ30~40年で、この間に排卵される卵子は400~500個にもなります。

・卵管

子宮の左右に伸びる、長さが7~15cmの細い管です。卵胞から飛び出した卵子が子宮に移動するために通る道です。

この途中で精子と出会うと受精します。ちなみに卵子が受精可能な時間は24時間です。

・子宮

長さ7~8cm、幅4cmほどの袋状の器官で洋ナシを逆さにしたような形をしています。
受精卵が着床して、出産まで赤ちゃんが育つ器官です。

通常は卵ぐらいの大きさですが、妊娠すると赤ちゃんの成長に合わせてどんどん大きくなります。内部は子宮腔と呼ばれる空洞になっていて、子宮内膜に覆われています。

・子宮頸管

子宮の入り口で精子が通りやすいように粘液を分泌します。

・膣

子宮と外陰部をつなぐ約6~8cmの管です。出産の時に、赤ちゃんが通る道になります。

ここに載せた器官の名前と場所がイメージできるぐらいにはなって欲しいところです。

女性の健康とは(男性と何が違うの?)

「健康とは、単に疾患がないだけでなく、身体的・精神的・社会的に健康であること」

身体的に健康とは、運動したいときに運動できる筋力であり、便秘がなく快便であることなど満たされた状態です。

精神的に健康とは、感情を発散させることができている。自然にポジティブに捉えることできて行動できてる状態

社会的に健康とは、働きお金を稼いで、自分で生活することができている自立状態とも言えます。

ちなみに健康の反対は病気ではありません。健康の反対は病弱です。

リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(性と生殖に関する健康と権利)を知っていますか?

カラダも心も社会環境も良好な状態にあり、安全で満足のいく性生活を営み、子どもをいつ何人産むか、または産まないかなどを、女性自身が自分で決める権利です。

性の問題、思春期の問題、妊娠、出産、中絶、避妊、不妊、性感染症、更年期障害など、生涯に渡り、女性の生命の安全や健康を重視する考え方です。

女性の健康は、思春期・性成熟期・更年期・老年期というホルモンのダイナミックな変化と、社会的な環境に強く影響されるため、QOL(生活の質)を向上させるヘルスケアが必要です。

例えば、女性は女性ホルモンによって生理周期に合わせて体調が変化します。20年前では専業主婦が当たり前でした。しかし、現代では女性が働くことは当たり前ですし、共働きも当たり前になっています。

会社は基本的に男性が働く場所として設計されていることがまだまだ多いです。

男性は男性ホルモンであるテストステロン優位です。女性のように生理周期で体調が変化することもなく、基本的に一定した状態を保っています。

女性は男性に比べて、妊娠・出産によって働けない時期もありますし、どれだけ働けるか(時間)を男性と比べられた場合、体調が生理周期でゆらぐ女性には厳しいのが現実です。

日本人女性は長寿のウソ

日本人女性の平均寿命は約86歳です。90歳まで生きる確率は50%に届きそうな勢いです。しかしこの傾向は手放しに喜べないのが現実です。

あなたは健康寿命を知っていますか?

平均寿命 ー 要介護年数 = 健康寿命になります。

実は女性が長寿になったと同じように、要介護が必要な人も増加してる事実があります。日本人女性の健康寿命平均は約73歳です。

86歳(平均寿命) ー X(要介護年数) = 73歳(健康寿命)
X(要介護年数) = 13年

なので要介護年数は平均約13年もあります。

女性ホルモンの分泌が終わるのはずっと変わらず50歳です。平均寿命だけがどんどん長くなっている状態になっています。

まとめ

これほど医学が進歩して、情報も豊富な時代もありません。ヘルスケアによって健康格差は大きくなっていくと考えられます。

ぜひ情報を積極的に取り入れて、実践してみてください。不安な方は、頼りになる産婦人科医を見つけておくとかなり心強いと思います。

【監修】西田医師

昭和59年徳島大学医学部卒業
東京医科歯科大学産婦人科、都立病院等に勤務
平成7年9月、横浜市都筑区にて西田ファミリークリニック開業
平成30年3月閉院
日本産婦人科学会専門医、日本更年期学会会員
専門:内分泌(思春期・成人の卵巣機能不全、不妊症、更年期)

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