更年期障害の頭痛に潜む緊張型頭痛と片頭痛の原因と症状を女医が解説

zutuu

頭痛は更年期障害の症状として、多くの女性が訴える症状の1つです。この頭痛には種類があることを知っていますか?

考えられる原因も実にたくさんあります。

あなたのその頭痛が更年期によるものなのか、それとも違う原因があるのかを知ることは大切になってきます。とくに、市販薬の鎮痛剤では頭痛が無くならなかった経験がある女性は必見です。

患者

この頭痛は更年期なのですか?

まずは、いくつかの質問に答えていただく必要があります。すぐに「はい、そうですね」とは言えません。

診断には「今、感じている痛み」と「これまでの経過」を知ることが欠かせないからです。

頭痛の原因5点が診断のポイントになります。

  1. 頭痛が発生したのはいつからですか?
  2. 痛みは強いですか?弱いですか?
  3. 痛みが起こる前兆がありますか?
  4. 現在、心理的ストレスを感じて生活していますか?
  5. 現在、飲んでいる薬がありますか?

そうそう、その前に確認しておきたいことがありました。
「緊張型頭痛と片頭痛を知っていますか?」

先生

大きく分けると頭痛には2種類あります

◆他の病気の症状としての頭痛
◆頭痛そのものが病気と言えるもの

頭痛がひどいと「何かの病気なの?」と不安になりますよね。実際、婦人科に来られる人も他の病気を心配して来られる方も多いです。

他の病気としては、まれに脳などの重大な病気が原因の場合もありますが、風邪や副鼻腔炎・花粉症や、睡眠不足まで日常身近に体験することが原因の場合もあります。

しかし、他の病気の症状として頭痛が出ているパターンは10〜20%程度です。

ほとんどの場合は、緊張型頭痛・片頭痛などの頭痛そのものが病気と言えるもので、70〜80%を占めます。

あなたのその頭痛は、緊張型頭痛・片頭痛の可能性があります。

緊張型頭痛と片頭痛の特徴を知って「頭痛の原因」を知ることが大切

先生

①緊張型頭痛は更年期に限らず、すべての頭痛の中で一番多い頭痛です

この頭痛を生涯で経験する人は30〜80%もいます。特に女性に多くて、男性の1.5倍もいます。

女性の場合、年齢と共に、頭を支える肩や首の筋力が低下し、肩凝りから頭痛が起こりやすくなります。

妊娠ホルモンであるプロゲステロンの働きでむくみが起こりやすくなり、肩が張って頭痛が酷くなるケースなども多いです。

痛みの特徴

  • ハチマキをしているように頭全体が締め付けられる痛みがある
  • 仕事や家事を休むほどの痛みではない
  • とても我慢できないと言うほどのものでは無い場合が多い。
  • 基本的に片側だけで起こることはありません。

*ただし、片側だけにストレスがかかったり、重いものを持ったり、姿勢が片側に傾いていたりすると、片側だけの緊張型頭痛も十分ありえます。

緊張型頭痛の原因

一番大きな要因はストレスです。同じ姿勢でのPC作業やデスクワークが長時間続くとカラダはストレスを感じています。また、人間関係のトラブルも大きなストレスになります。

悩みや不安を抱えていませんか?

精神的なストレスは自然とカラダをこわばらせます。(筋肉が張った状態が続いて、なかなか緩まない状態)

生真面目な性格や神経質な人はストレスを感じやすいので要注意です!

更年期の世代では、子供の巣立ちや夫の定年退職、親の介護など、これまでの生活が大きく変化するのでストレスが増える傾向があります。

対処方法

・「リラックスする」これが一番の薬です。

しかし、いきなり「リラックスしよう!」と思ってできるものではありませんよね。それが出来ないから苦労してる・・という人も多いでしょう。

・ゆっくりお風呂に入ったり軽く体動かす事がリラックスのポイント

良い香り入浴剤を入れたり、お気に入りのアロマを入れて37〜39度で10分程度入浴すると筋肉が緩んでリラックスできます。

*片頭痛の人が痛みがあるときに入浴すると血行が良くなりすぎて、痛みが強くなってしまう危険があります。その場合は反対にシャワーだけにする方が効果的です。

・首や肩の筋肉を鍛える筋トレをする。

女性は年を重ねるごとに筋力の低下が顕著になりますので、地味ですが効果は期待できます。

・筋トレが嫌いな人は、好きなスポーツをしましょう!

好きなスポーツをすることで症状が軽くなることもあります。運動をすることで筋肉が伸びたり縮んだりするために、柔軟性が高まるからです。

*あくまで適度な運動の範囲内の話です。

・疲れを感じたらしっかり休むことも大切になります。

同じ姿勢で長時間仕事する時は、意識して休憩を入れるといいです。席を立ってカラダを動かしたいところです。

また、コーヒーやお茶などに含まれるカフェインも適量であれば、鎮痛効果があるのでオススメです。

・使われる薬

緊張型頭痛に対しては鎮痛薬として非ステロイド性抗炎症薬を使用します。さらに漢方薬を処方する場合もあります。

先生

②片頭痛は30代女性がもっとも多いです

女性ホルモンと大きく関係してるため女性に多くて、30代では男性の4倍近くにものぼります。

痛みの特徴

  • 脈を打つようにズキンズキンと痛みを伴います。
  • 生活に支障きたすほどの頭痛になることもあります。
  • 片頭痛は、よきせぬタイミングで発生します。
    (数時間から1日程度で治る場合が多いですが、激しいときには数日続くことも)
  • 頭痛を我慢して体動かすと振動によって頭痛はいっそう激しくなります。
  • 吐き気やめまいを伴うこともあります。

片頭痛は読んで字のごとく片側だけで起こる特徴がありそうなのですが、そうではありません。

おおよそ2/3の割合で片側に起こり、残り1/3は両側が痛くなります。ちなみに、昨日は右が痛かったのに今日は左が痛いということも起こります。

頻度は月に2〜4回の人が多いです。

片頭痛の原因

片頭痛は生理周期と深く関係しています。

「あなたの頭痛、生理が始まる前や生理中・生理の後半に出ませんか?」

実は、生理前の頭痛は隠れ片頭痛の可能性があります。

生理直前と生理中はエストロゲンとプロゲステロンが両方低いため、セロトニンが分泌異常を起こしてセロトニン量が低下するので血管が拡張して頭痛が起こると言われています。

*セロトニンは血管を収縮する働きがあります。このセロトニンの分泌が減ると血管が拡張しやすくなります。

そのため、片頭痛はエストロゲンとプロゲステロンの2つが減少する時期に起こりやすいです。

エストロゲンとプロゲステロンが片頭痛に大きく関わっていることがわかる現象として、妊娠中6〜8割の女性は頭痛は軽減するという事実があります。

妊娠中は女性ホルモンのエストロゲンとプロゲステロンが両方高い数値で安定するために軽減します。

特に妊娠後半はエストロゲンとプロゲステロンが高いレベルで維持するために片頭痛が起きなくなることが多いです。

しかし、残念ながら期間限定です。出産後1ヶ月も経てば半数以上が再発してしまいます。

対処方法

痛むところを冷やすことで血管が収縮するので痛みが和らぎます。動くと痛みがひどくなるので、じっとして、横になれるなら横になりましょう。

音や光にも敏感になるので暗く静かな部屋がオススメです。

・使われる薬

片頭痛に対してはトリプタン系薬剤を使用します。

緊張型頭痛に対しては鎮痛薬として非ステロイド性抗炎症薬を使用しましたが、片頭痛にはほとんど効きません。

さらに漢方薬を処方する場合もあります。

緊張型頭痛と片頭痛の2種類を一緒に見てきました。

「私は両方感じることがあるんだけど・・」と思った方もいると思います。そうなんです。

先生

困ったことに、片頭痛と緊張型頭痛の合併型というのもあります・・・

女性で片頭痛持ちの人には、この合併型が意外に多いです。

合併型の3つの症状パターン

①毎日のように頭が重くスッキリしない。
月に数回はズキンズキンと脈打つような頭痛に襲われる。

②その時によって締めつけられるような痛みも感じるし、
ズキンズキンと脈打つような頭痛に襲われる。

③生理の数日前から肩が凝ったり、頭が重く感じる。
良くなったと思ったら生理が来て、ズキンズキンと脈打つような頭痛に襲われる。

いずれかに当てはまるなら片頭痛と緊張型頭痛の合併型である可能性があります。

先生

更年期を過ぎると頭痛が軽くなる人が多いです

実は50〜60歳になると頭痛が減少することが多いのです。中には50歳を過ぎると片頭痛がなくなる人もいます。

それはエストロゲンとプロゲステロンの分泌量が多い低いではなく、この2つが下がるタイミングで頭痛になるのではと考えられる理由になっています。

閉経以降に痛みが軽くなることが多いのはエストロゲンとプロゲステロンが低い数値で安定するからと考えられています。

しかし、更年期に悪化する人もいるので完全に安心できるわけではありません。生理に関する片頭痛を元々持っている女性は、閉経後に片頭痛が悪化するリスクが高いので要注意です。

まとめ

あなたの頭痛の原因がわかりましたでしょうか?

今は頭痛専門外来や頭痛専門医もいる時代です。しっかり治したいと考えるなら一度受診されるのがいいと思います。もちろん、頭痛で婦人科に行かれても全然構いません。

しっかりした医師であれば、頭痛専門医を紹介することもあります。

「どこに行けば・・」と迷ったら、まずは婦人科に行って相談してみて下さい。

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【監修】西田医師

昭和59年徳島大学医学部卒業
東京医科歯科大学産婦人科、都立病院等に勤務
平成7年9月、横浜市都筑区にて西田ファミリークリニック開業
平成30年3月閉院
日本産婦人科学会専門医、日本更年期学会会員
専門:内分泌(思春期・成人の卵巣機能不全、不妊症、更年期)

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