「女医監修」更年期は女性ホルモンが乱れ激減する仕組みを解説

zyoseihorumon

あなたは今、更年期に突入して辛いですか?生理前後の体調の変化に振り回されて参ってるかもしれません。「生理なんて無くなってしまえばいいのに・・」と女性の悩みは尽きません。

この女性の悩みの鍵を握るのが女性ホルモンです。女性ホルモン、ひいてはホルモンを知ることで、意外なほど簡単に悩みが解決する場合があります。この女性ホルモンは2種類あります。

それぞれを詳しく知る前に「そもそもホルモンってどういうものか知っていますか?」
焼肉のホルモンとは全く関係ありませんので。あしからず(笑)

まずはホルモンを知ることが、女性ホルモンを知るための近道になります。

ホルモンとは人生の鍵を握るぐらい重要

実は、ホルモンは非常に身近な存在なのです。わたしたちは常にホルモンの影響を受けています。どのくらい影響を受けているかというと、ホルモンで人の行動は決まるぐらいです(笑)

分泌される場所はホルモンそれぞれで異なるのですが、血管に乗って、それぞれの受容体に入っていくことで作用する仕組みは共通しています。臓器ごとにそれぞれ違う受容体という鍵穴みたいなモノを持っています。

ホルモンがそれぞれ鍵になっていて、専用の受容体(鍵穴)に出会うと入り込んで機能します。

鍵が違っても鍵穴が違っても入れません。家の鍵と同じで専用になっています。

ホルモンは体中で働いている

ホルモンはこれまで100種類以上発見されています。ドーパミンやセロトニン・インスリン・メラトニンなどは聞いたことがあると思います。

ドーパミンは快楽や欲望の感情を高めます。行動力の源といっても過言ではないかもしれませんね。

セロトニンは幸せな気分を感じさせてくれます。ストレスを緩和したり、腸内環境を整えてくれたりします。メラトニンはセロトニンが素になってできています。

インスリンは血中の糖分を捕まえて肝臓や筋肉に貯めておいてくれます。血糖値を下げるという重要な役目を担っています。

もし、インスリンがうまく分泌されないと血液中の糖分を吸収できなくなって、食べても栄養不足になってしまいます。

メラトニンは眠くなるように体を変化させてくれます。
体の興奮を鎮めて、眠る環境を作ってくれます。メラトニンが眠りの質の鍵を握っています。

このようにホルモンには体調に大きな影響力を持つことがわかっていただけたかと思います。

さて、お待たせしました。女性ホルモンです。女性ホルモンはエストロゲンとプロゲステロンの2つがあります。

この2つには女性だけが持っている特権のために作用してるといっても過言ではありません。

女性だけの特権・・・そう妊娠・出産です。

女性ホルモンがあるから妊娠・出産できるのです。この2つのパワーバランスによって生理周期を動かしています。エストロゲンとプロゲステロンの役目を理解するためには生理周期を知ることが近道です。

生理のメカニズム(生理周期)

seirisyuuki

生理周期とは生理が始まった日から、次の生理が始まる前までの期間のことです。

個人差がありますが、一般的には25〜38日ぐらいのサイクルで動き続けています。この周期も常に一定ではありません。基本的には6日以内の変動は問題ありません。

生理の持続期間は3〜7日で平均すると4.6日になります。経血の量は20〜140mlまで正常ラインです。(ヤクルト2本分ぐらいが目安です)

初経は平均12歳で閉経は45〜55歳で平均50歳になります。

この生理周期は大きく4つに分けることができます。

生理期(リセット期)

エストロゲン・プロゲステロンの量が減ることで、妊娠に備えていた子宮内膜が剥がれ落ちて血液と一緒に子宮口から排出されます。この現象が生理です。

この時期はエストロゲン・プロゲステロンともに分泌量が少ないので、全身がだるくなったり、眠くなりやすい時期です。

1サイクルの終わりであり、次のサイクルの始まりでもあるため、カラダが休息を求めています。免疫力も低下しますので、風邪には気をつけたいところです。

肌も弱っていますので、しっかりスキンケアして自分自身をいたわってあげてください。

卵胞期(キラキラ期)

生理が終わって気分も爽快になる時期です。エストロゲンもどんどん増えていくので体調もどんどん良くなります。

卵胞期の後半になると肌の調子も良くなります。(エストロゲンの恩恵です)

ここが一番精神的にも肉体的にも元気な時期です。新しいことを始めるにはたくさんのエネルギーが要ります。新しいことを始めるのに最も適している時期です。

前向きに物事を観れるので、決断をするにも最も適した時期です。

目には見えませんが体内も刻々と変化しています。卵巣の中には卵子の元となる原子卵胞があります。

この原子卵胞が卵胞刺激ホルモンの刺激を受けて原子卵胞→発育卵胞→成熟卵胞になります。

この成熟卵胞から卵胞ホルモン(エストロゲン)が分泌されます。その影響を受けて子宮内膜が増加して厚くなります。

卵子を受け止める場所が子宮内膜なので、子宮内膜を厚くして卵子がの育つベットの土台を準備しているのです。

排卵期(ニュートラル期)

卵胞ホルモン(エストロゲン)がある程度増えると、脳下垂体から卵胞刺激ホルモンと黄体形成ホルモンが急激に増加します。

この影響を受けて、成熟卵胞から卵子が排出されます。卵子は卵管に取り込まれて受精するのを待ちます。

黄体期(アンバランス期)

排卵を終えて卵子が出た後の成熟卵胞は黄体へと変化します。黄体となって黄体ホルモン(プロゲステロン)を分泌して厚くなった子宮内膜を柔らかくして妊娠に適した状態にして維持します。

この時期は、妊娠に向けてベストな状態を保とうとするので、糖分や水分を体内に溜め込みます。その結果、新陳代謝が悪くなります。

太りやすかったり、便秘になりやすかったり、むくみやすくなります。肌も荒れやすくなります。精神的にも訳もなくイライラしたり、集中力も低下しがちです。

しかし、妊娠が成立しないと、黄体の機能はしだいに衰えていきます。エストロゲン・プロゲステロンともに量が減少していきます。

守りが一気に弱くなるので、頭痛や腰痛など自分が弱いところが不調として出やすい時期です。無理しないで、しっかり休みたいところです。

生理になって、生理期(リセット期)がくれば黄体期(アンバランス期)は終了です。妊娠しない限りこの生理周期サイクルは続いていきます。

更年期は女性ホルモンが激減してしまう

女性ホルモンが激減することに脳みそがついていけません。どの女性もサイクルとしてエストロゲンが低下するのですから自動的に切り替わって欲しいところですよね。

人間にはもともと変化を嫌う傾向があります。

エストロゲン低下の変化があまりに大きいために、カラダが女性ホルモンが減った状態を受け入れて、慣れるまでのステップを踏まなくていけません。

スキップできれば楽なのですが、残念ながらそういう風にカラダはできていません。

エストロゲンとプロゲステロンは脳の視床下部からの性腺刺激ホルモン放出ホルモンが出されます。それを受けて脳下垂体が卵胞刺激ホルモンと黄体形成ホルモンが分泌されます。

この卵胞刺激ホルモン・黄体形成ホルモンが卵巣から実際にエストロゲンとプロゲステロンを出す司令になります。

司令塔である脳の視床下部は、指令した通りの結果が出たかどうかを卵巣から連絡を受けます。この時に十分出ていれば、視床下部は指令をストップさせます。

反対に十分な量が出ていないと、もっと指令を出します。

「もっともっと出して!」「足りないよ!」と。このように指令と結果の情報が入ることでバランス良く機能します。

しかし、更年期に入るとエストロゲンの分泌量が減ってしまいます。司令塔が出す指令に卵巣が応えられないのです。

司令塔(視床下部)は卵巣がエストロゲンを出すことが難しくなってることを理解できません。

「もっと指令を出せばできるはず!」とさらに指令をガンガン出します。

指令をいくら出しても満足する分泌量にはならないのですが・・

エストロゲンの分泌場所は卵巣がほとんどです。脂肪からも少量ですが、作られています。

このエストロゲンが役割を発揮するのは全身に及びます。生理がある期間は女性はエストロゲンによって守られているゆえんです。

この卵巣が役目を終えると閉経を迎えます。閉経になると、エストロゲンが計測できない程度まで減ります。

このアンバランスさが更年期症状を生み出しています。

この視床下部は自律神経をコントロールする働きもある重要な司令塔です。この司令塔である視床下部が混乱を起こすので自律神経失調症に似た症状が更年期障害として出る理由です。

このように体内環境が大きく変わるので、しっかり対策する必要があります。

まとめ

実際に起こる体内変化で、自分の感情や体調が左右されている事実を受け入れることが第一歩です。

この体内変化を利用することで「楽しく」「ラクチン」に生きられる人が一人でも増えてもらえたら嬉しいです。

【監修】西田医師

昭和59年徳島大学医学部卒業
東京医科歯科大学産婦人科、都立病院等に勤務
平成7年9月、横浜市都筑区にて西田ファミリークリニック開業
平成30年3月閉院
日本産婦人科学会専門医、日本更年期学会会員
専門:内分泌(思春期・成人の卵巣機能不全、不妊症、更年期)

コメントを残す

*